僕らは虹のカケラ

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02.24 SideM 3rd LIVE 仙台公演

2018年2月24日、25日。

THE IDOLM@STER SideM 3rd LIVE TOUR〜GLORIOUS ST@GE!〜 仙台公演が開催された。

 

私は24日にライブビューイング、25日に現地参加した。その記憶を忘れる前に長文で留めておきたくて、数年ぶりにブログを開設した。

 

Mマスに転がり落ちたきっかけなどはひとまず置いておくが、私は現在、若里春名と柏木翼のプロデューサーをしている。

 

今回の仙台公演は春名が所属するHigh×Jokerが出演した。24日の公演はいつも通りアルバイトを終え、友人と待ち合わせて、毎回ライブビューイングでお世話になっている映画館の席に着いた。開始時間までJupiter、WのPである友人と幕張公演について振り返る。

 

幕張1日目の公演では、ついに46人全アイドルの集結、Beitからの求婚、そして何よりJupiter*1の歌唱でツアー幕開けから盛り上がりを見せた。

幕張の2日目はもう一人の担当である柏木翼が出演していた。加えて私がファンである神谷幸広のソロ、S.E.Mの学ランなどで、1日目とは異なる形で最高の「ショー」を見せてもらった。

 

幕張公演の終演後、私の中には「楽しかった」という単純な感情しかなかった。

これが今思えばいけなかったのだと思う。いやいけなくはないんだけど(おかげで次の日は公演開始30分前から緊張しまくってた、出るわけでもないのに)。

 

ハイジョは高校生アイドル。元気でパワフルなパフォーマンスが魅力だ。ステージを縦横無尽に駆け回り、タオルを回して会場を盛り上げる。他のユニットの楽曲や演出に涙をすることがあっても、自分の担当のグループが歌唱している際は、いつも笑っていたと思う。

幕張同様に仙台公演も楽しいことが待っているのだとワクワクしていた。

 

そして17時30分。事務員の山村賢の諸注意を受け、オープニングを経てライブはスタートした。

1曲目はReason!!。開幕直後のひと声と落ちサビのソロパートで、MCは秋山隼人役の千葉翔也さんだと判明し、ボルテージは上がる。そのときの私は「ちばしょがMC!ハイジョが真ん中にいる!」程度だった。今思えば呑気なものである。

 

MC明け1曲目、夏時間グラフィティで真冬の会場があっためられ、後発組のユニットがSL曲やアニバ曲を1曲ずつ披露をしていく。そしてライブはソロコーナーへ突入する。

 

まず蒼井享介役の山谷祥生さんが「"W"onderful Tactics!」を披露。曲も終盤、するとアウトロのメロディーが変化し、山谷さんは首を傾げる。

そして曲は変わる。「"W"orldwide Ambitions!」だ。蒼井悠介役の菊池勇成さんが登場し、山谷さんとハイタッチを交わす。

曲が進むにつれてP達は気づく。双子のソロの振付が共通していると。私は「...やばい」と零す隣の友人を「生きて」という低レベルな語彙で励ます。

監督ちゃん達お疲れ様。こんな演出されたらそりゃあ言葉も失うわ。

この時点でもまだ呑気なことを考えていた。

 

その後、ソロとアニバが交互に披露され、会場にはあるBGMが流れる。「二人の旋律」だ。夏来と旬が幼い頃に奏でた曲。アニメで流れたサントラだ。

榊夏来役の渡辺紘(ことひろひろだよ〜)さんがスタンドマイクと共に登場する。「ナツゾラRecords」。夏来の優しい声とスクリーンの映像が重なり涙を誘う。

曲終わり、「ずっとずっと…一緒だよ…」の歌詞で、渡辺さんは左に手を差し出した。

 

この時点で大方察した。

あ、次、旬ソロだわ

 

いや、まあそうなるわな、うんうんと平静を装うPに追い討ちがかけられる。

 

冬美旬役の永塚拓馬さんがグランドピアノと共に登場したのだ。

 

永塚さんは深いお辞儀をする。時間にするとかなり長かったと思う。嘘、ちょっと待って、まさか弾くの。取り乱した。周りも同じ反応だった。その表情だけで大いに緊張は伝わってきた。震える指先がアップになる。永塚さんの息遣いでさえ聞こえる静寂。一音一音、ひと声ひと声奏でられる。

ライビュ会場のペンライトは少しずつ揺れることをやめていった。プロデューサーは息を飲み、冬美旬の演奏に聴き入っていた。その命を削るような感情的な歌唱に、私も自然と涙がこぼれてしまった。

 

珍しく泣いてしまった。私事だがこういったライブでは殆ど涙した経験がない。素晴らしい演出だとひと息ついたとき、とんでもない映像が目に飛び込んできた。

 

暗いステージに映るドラムセットの影。人の影。楽器を持つ人の影。

そこからは文字通りパニックの連鎖だった。

 

明転するステージ。スクリーンに映るNext Artistの文字。High×Jokerだ。ハイジョがそこに立っている。

Sunset★Colors。若里春名役の白井悠介さんは力強くドラムを叩き始めた。私は隣の友人にしがみつき、その一瞬を見逃さないようにと溢れる涙を何度も拭った。

 

イントロが流れる前、とんでもなく失礼だが当て振りかと思った。それほど信じられなかった。だって彼らはあくまで担当の声優なのだ。

そしてその考えが馬鹿だったと数秒で気づかされる。違う。弾いている。叩いている。キャストさんが自分たちの手で奏でている。本物の音だ。生演奏だ。嘘じゃない。全部現実だ。

 

私は声優・白井悠介さんのファンでもある。

関節の柔らかさを駆使し、披露する特技の形態模写が代名詞だ。その動きやダンスが面白いからか、Pにもいじられることが多い。数十分前、カメラに抜かれる度に会場ではちらほら笑い声が起きていた。悪意はないのだと思う。単純に面白いと思うから笑っているのかもしれない。嘲笑、失笑なのかもしれない。その真意は私には分からない。

 

でも初めてではない。毎回だ。私はその度に複雑な思いをしていた。

私は春名のファンであり、白井さんのファンでもあるからそう思うだけだ。彼が一生懸命であることは知っているから、悔しく思うだけだ。

この会場にキャラクターを見るために来ていて、声優に興味がない人だっている。十分理解はしていた。その感情を持ち込んではいけないとも思っていた。

それでも、好きで応援している人が小馬鹿にされているようで嫌なものは嫌だった。

 

白井さんは真剣な表情でドラムを叩いていた。時に険しい表情がアップになる。誰一人、一人も笑っていなかった。誇らしかった。若里春名としてドラムを叩く姿を他担が見て惚けている。

 

メンバー紹介パートで、ドラムソロを披露する。上からのアングルで演奏する手元がアップになる。

決して素人の叩き方ではなかった。とんでもなく練習したのだと思う。そう思うとまた涙がじわりじわりと溢れていた。

 

終始緊張した様子はなかった(本当は緊張していたのかもしれないが)。ずっと、ずっと、曲の間ずっと楽しそうにドラムを叩いていた。

 

その直後のMCでは、スタジオに通っていたことを明かされた。しかし本人は「スティックが手放せなくて、エレベータのボタンもスティックこうやって押しちゃうよね」と話してみせた。

いつも通りで、白井さんらしくて、また少し涙が出た。

 

我らが天道輝役仲村宗悟さんも、エピソードを教えて下さった。

 

先日の生放送では深夜の12時から朝の5時まで練習していた、何よりドラムを叩くことが”楽しい”とお話してくださった。

 

先述で信じられなかったとは言ったものの、考えていないわけではなかった。可能性として担当声優さんたちの生演奏でハイジョが歌うことは十分あった。

それでも声優さんだ。Mマス以外にも様々な作品でお仕事をしている。楽器の生演奏は1日、2日で出来るようになるものではない。バンドとなると、全員合わせて練習しなければならない。

どこかで夢物語に思っていた。思っていたのは私だけだった。

 

ハイジョは着実に前へ進んでいるのだ。キャストさんと一緒に。

 

1st、2ndでもそうであったが、白井さんは春名の大好物であるドーナツに絡めて、明るく元気に挨拶することが多かった。いつも明るい春名のように。

この日は最後の挨拶で、真剣な表情で白井さんはこう綴った。

 

「楽器を演奏することで、春名にまた少し近づけた気がする」

 

嬉しかった。春名を応援してきて良かったと心から思った。役への愛情表現をこういった形で見られたことがとても幸せだった。

 

その日「春名の声がしらにぃでよかった」というPの声をたくさん見かけた。

 

結果的にとても楽しかったし、多幸感で満たされる公演だった。しかしそれだけではない、色々なことを考えた公演でもあった。

めまぐるしく変化する、青春を駆け抜けていくHigh×Jokerを、これから一瞬たりとも見逃したくないと思った。

 

私はまだプロデューサーになって1年半ほどの新人だ。あくまで私見た景色の感想であって、リリース当初から応援してきた人はもっと色々なことを想うのかもしれないが。

 

きっとこの先、私は2月24日の公演を大切に想い、何度も思い出すのだろう。

 

(隼人ソロからのHJNL、25日の春名ソロからのジョカオル等、書きたいことは山ほどあるけれどまたそれは後日...)

*1:アリギル→BNF、961から315へのロゴ変更と衣装替え